PIを目指す研究者のトークを聴講しました

こんにちは、Rayです。
先日、大阪大学 大学院生命機能研究科、京都大学 大学院生命科学研究科、東北大学 大学院生命科学研究科の3研究科合同で、「めざせ!近未来のPI」をコンセプトとしたセミナーが開催されました。
このセミナーは、PIを目指す3名の研究者(近未来のPI候補)の模擬ジョブトークと、審査員役の教員による質疑という形式で行われました。

3大学が連携して若手研究者の自立をサポートし、研究科間の人材交流・人材流動を活性化する目的で、このセミナーが開催されることとなったそうです。

トップレベルの研究者になる上で大事なことを学ぶ良い機会になったので、簡単に記録を残しておこうかなと思います。

記事の内容

用語説明

PIって何? — 研究室代表 ≈ 教授

PIとは、Principal Investigatorの略称です。
研究主宰者、研究室の責任者、代表者を指す言葉で、大学では多くの場合、教授が該当します

ジョブトークって何? — 大学教員になるための講演

大学教員になる場合などには、面接形式の審査があります。
面接審査の一環として、自分がこれまでやってきた研究の成果や、今後取り組みたい研究の展望などをプレゼンする機会があります。
これをジョブトークと言います。

ジョブトークには、審査する教員だけでなく、学生などが参加できることも多いようです。
面接というよりも、大勢の前での講演を元に審査される感じですね。

ここで自分の研究者としての素質と、今後取り組もうとしている研究のおもしろさをどれだけアピールできるかが重要になります。

今回私が参加したセミナーでは、近い将来PIになるであろう3名の研究者(助教や准教授)が、模擬的なジョブトークを披露してくださいました。
このトークを受け、各大学の教授陣から質疑と講評をいただくといった形式で進められました。

3名のジョブトークを聴講して…

まず、どの方のトークもとてもおもしろかったです。
これまでの研究成果はもちろん素晴らしかったですし、今後の研究計画もしっかりと練られていて、ただただ「おお〜」と思っていました笑

審査員の先生方からも、おもしろかったと高評価でした。
それでもやはり、指摘を何点かずつ受けていました。

(たしか)みなさんが共通して受けていたコメントとして、

  • あなたの研究の位置付け、規模を明確に示して欲しい
  • この先30年くらいの大きな視点での展望を教えて欲しい

というものがありました。
どちらも、自分の研究および研究計画を大局的に捉えなさいという意味ですね。

若手研究者にもなれていない私からすると、どの発表者の方もご自身の研究を俯瞰して、わかりやすく紹介してくださいったように感じましたが、「ジョブトークであること」を前提にして教授が評価すると物足りなかったようです。

研究室を率いるPIになるとなれば、今後30年くらいの長期間を見据えて研究を計画する必要があるのは当然と言えば当然です。
審査員の好みにもよりますが、研究の最終目標として大きなことを言えるようにした方が良いのかもしれません。

Ray

極端な例だと、「脳機能の全貌を解明する!」とか
(いや、さすがに極端すぎますが。笑)

今後30年という長い期間で、研究がどう発展していくのか、どう発展させていくのかを考えるのはとても難しいと思います。
しかし、特にPIになるのであれば、今後数十年を見据えて研究を計画することは必須となります。

実際、どの研究室のPIも大きなビジョンを持っていて、そのビジョンの達成に向けて細かい研究計画に細分化し、ラボ内外の研究者に分担させています。
私が所属するラボの教授も、とても大きな野望を持って研究に取り組んでおられます。
とても抽象的で大きすぎる野望にも思えますが、着実に目標達成へ近づいているので、さすがだな、すごいなと、語彙力を失うほど日々感動させられます。

私のラボの教授を見ていると、自分がこんなPIになれるのかな!?という畏れの気持ちを抱いてしまうのはさておき、研究者にとって大局的な視点は必須であることを改めて教えられました。

いや、これは研究者に限った話ではありませんね。
どんな道へ進もうと、物事を俯瞰し、将来を見据えて行動する能力は求められます。
今回のセミナーは、研究者を目指す学生向けのものでしたが、研究とか関係なく人生のことも考えさせられました。

まとめ

今回は、私の所属研究科にて、「めざせ!近未来のPI」をコンセプトとして開催されたセミナーについてお話ししました。

研究者として自立し、研究室を率いるPIを目指すには大局的な視点がどれだけ重視されるかを学びました。
大学院生2年目の私は、せいぜい今後1年の研究計画を完遂するために、目の前の実験・解析を行うだけで精一杯です。

研究者としてはまだまだ初期胚みたいな私ですが、博士課程を終えればそんなこと言っている場合ではなくなります。
あと数年のうちに、大局的な見方で研究を計画し、着実に遂行していく立派な若手研究者になれるよう精進しよう!と、改めて気を引き締められました。

Ray

私は基本的に「後先のこと考えすぎず、今が楽しかったらそれでいいよね」と思っていますが、少しは将来を見据えていかないとなと、人生のことも考えさせられました。
もう大人なんだ…!

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この記事を書いた人

脳神経科学を専攻する大学院生です。
研究に取り組む中で直面した問題や、役に立ちそうな情報を共有しています。
趣味で撮っている写真も投稿していますので、よかったら見に来てください!

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